すべては数直線の上に+詩集
そのとき病院の待合室には僕らの他に、お年寄りが四人、子供を連れたお母さん、白いシャツにインディゴのジーンズの青年、そして若いカップルが一組いたが、彼らはこの神聖な儀式にたいして全く興味をもっていないように思えた。
もちろんそれは当然なのだが。
僕は彼が目を開け語りだすのを、熱心な信者として待っていた。
…とそのとき、病院の受付の女性が彼の名前を呼んだ。
「すみません、診察の順番来ちゃいました。」
彼はちょっと残念そうに首を軽くふりながらそう言った。これからがいいところだったのに…そんな表情だった。僕の方こそ残念に思った。
「また今度続きを聞かせてくださいよ。」
僕がそう言うと、彼は分かりましたぜひ、と言って立ち上がり松葉杖をつきながら診察室へ入っていった。
待合室に残された僕はさっきまでの彼の話を思い出しながら、ホロホロらーめんについて考えていた。
待合室のソファの座り心地は素敵で、僕はいつまでも座って考えていられそうだった。
もちろんそんなわけにはいかない。
しばらくして、診察を終えた彼女が待合室にやって来た。
「あっ、おかえり!」
「ずっと待合室にいたの?」
「そうだよ、ほら前話した男の子覚えてる?」
「あー、足を骨折してる人?」
「そうそう!ずっと彼と話してた。」
そのまま僕と彼女は待合室のソファに座って話をした。僕は彼女の検査の内容や、その結果を尋ねた。
そして彼女がそれに答えた。
経過は良好とのことで、僕は安心した。
どうやら後一週間くらいで退院できるようだ。
だが、彼女と話をしながらも僕の頭の中はホロホロらーめんのことでいっぱいだった。
そんなだから彼女との話に集中できず、その時他にどんな話をしたのか覚えていない。
もちろんそれは当然なのだが。
僕は彼が目を開け語りだすのを、熱心な信者として待っていた。
…とそのとき、病院の受付の女性が彼の名前を呼んだ。
「すみません、診察の順番来ちゃいました。」
彼はちょっと残念そうに首を軽くふりながらそう言った。これからがいいところだったのに…そんな表情だった。僕の方こそ残念に思った。
「また今度続きを聞かせてくださいよ。」
僕がそう言うと、彼は分かりましたぜひ、と言って立ち上がり松葉杖をつきながら診察室へ入っていった。
待合室に残された僕はさっきまでの彼の話を思い出しながら、ホロホロらーめんについて考えていた。
待合室のソファの座り心地は素敵で、僕はいつまでも座って考えていられそうだった。
もちろんそんなわけにはいかない。
しばらくして、診察を終えた彼女が待合室にやって来た。
「あっ、おかえり!」
「ずっと待合室にいたの?」
「そうだよ、ほら前話した男の子覚えてる?」
「あー、足を骨折してる人?」
「そうそう!ずっと彼と話してた。」
そのまま僕と彼女は待合室のソファに座って話をした。僕は彼女の検査の内容や、その結果を尋ねた。
そして彼女がそれに答えた。
経過は良好とのことで、僕は安心した。
どうやら後一週間くらいで退院できるようだ。
だが、彼女と話をしながらも僕の頭の中はホロホロらーめんのことでいっぱいだった。
そんなだから彼女との話に集中できず、その時他にどんな話をしたのか覚えていない。