【短編】十一屋(トイチヤ)~ナニワ金融道~
「あらら、名前書いちゃって。

ちゃんと読んだんか?」

「へっ?」

「これ、読んだんかって聞いてるんや。

読んで、納得した上で契約書書いてるんか?」


「え?、……はい…

説明、聞きましたから」

「ほぅ。そうか。

なら、 えぇか。

本人が納得してるんやから、えぇやがな?」



「?………あのぉ…
何が言いたいのですか?…」


「何がって、

まぁまぁえぇがな、
本人がえぇゆうてるんやから。

ほなっ、帰るでっ」


「へぃっ」


「ちょ、ちょっと待って下さいっ城頭八さん!」


「ん?なんや」


「教えて下さい。
この契約書に何か?

何ですの!?
教えて下さいよぉ!」

「泣かんでえぇがなぁ~まったく!

よう見ぃやっ契約書」


城頭八に言われて、
朝日喜は、
契約書を見入る。
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