Honey Bitter

「だから、自殺なんて止めとけ」




私が呆れているとも知らず、彼は私を"自殺した誰か"に重ね続ける。




でももしも、彼のように悲しんでくれる人がいたなら




私も、なにかが少しは違っていたかもしれない。




私には一生向けられる事のないであろう"愛情"がほんの少しだけ羨ましい。




「苦しまないとしたら?」




誰も、悲しむ事もしないとしたら、死んでもいいでしょう?




私には"愛情"をくれる人なんて、悲しんでくれる家族なんて、いない。




むしろ私には"家族"なんてものは、存在しないのかもしれない。



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