純恋〜スミレ〜【完】

こんなことを言いたいんじゃない。


貸してあげてもいい。ワンピースだって化粧品だってアクセだって。


あたしが持っている物ならなんだって貸してあげる。



『お姉ちゃんのシャツに染みつけちゃったよぉ……』


って泣きながらお風呂場でシャツをこすってたのだって知ってる。


染みなんてほとんど分からないくらい薄くなったシャツを持って必死に謝りに来た叶恋。


『もういいよ』


って言ってるのに、泣いて謝った叶恋。




叶恋の彼氏が、ちゃんと叶恋だけを愛してくれる人だったらよかったのに。


もしそうなら、喜んでワンピを貸せたのに。


髪の毛だって、喜んでアップにしてあげたのに。


可愛くメイクしてあげたし、お気に入りのアクセを貸してあげたのに。


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