疲れ切った心

5年後




「ちょっと悠理!」


「ぱぁぱぁ・・・・・」



よちよち歩きでパパの所まで歩いていく。



「ダメでしょ、おしめはきなさい!」


「悠理、おしめはこうな~」



下半身丸出しの娘の脇を持ち上げるパパ。



「も~・・・・」



溜息をつきながらおしめをはかせる。



おしめをはき終わった悠理は上機嫌で手をパチパチと叩いた。



私達には2歳児の娘が居る。



名前は悠理。



2人の文字を取って名付けた。



「珠理、早くしないと式に遅れるぞ」


「もうそんな時間!?」



慌ててピアスを付けた。



そして悠理の荷物をまとめる。



「出来たよ」



4年制の大学を無事終了し、仕事も慣れて1年。



5月24日、今日2人が結婚する。



今日はちょうど6年前聖南高校で文化祭があった日でもあり、2人が付き合うことになった記念日でもある。



「ちょっと悠斗、悠理にドレス着せてよ!」



今朝から娘の悠理が言うことを聞いてくれないので手間取って仕方がない。



「はいはい。ママは怖いでしゅね~」


「こわいれしゅね~」



悠斗は悠理に甘いし、悠理はパパ大好きっ子だし。



この家に私の見方は居らんのか。
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