アルバ…
卒業式。

和真がこの学校を卒業する日。

和真の目には涙はなかった。

そのかわりに私の目に涙が…


卒業式が終わり、私は渚と共に和真、翠さんを玄関で待った。


「やっぱりもう少しゆっくり来て良かったんじゃない?」

私が話し掛けても渚は泣いてるし…

「お~い!」

翠さんが走ってきた。
その後ろには…

珍しくしっかりとボタンを止めてる和真。

「ほら。」

なにか差し出された。
「なに?」

不思議に思いながら受け取った。

見てみるとボタン。

パッと和真の制服に目をやるとない…


「第二ボタン。欲しかったんでしょ?途中何回もとられそうになったから大変だったよ…」


「ありがと。」

私はギュッと抱き締めた。




「写真!早く!!」

翠さんが渚に言ってる。

なんだろ。

カシャ

ふと横を見ると

「撮っちゃった♪」

意地悪そうな笑顔の2人。

撮られちゃった…


でも大切な記念になったね。

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