ひだまりの天使
警察からの帰り道


並んで歩く俺達の間に気まずい空気が流れていた。


日向は俯きながら歩いている。


もしかして俺が怒っていると思っているのかもしれない。

やがて日向は少し震えた声で言った。


「…黙っていてごめんなさい……心配掛けたくなくて……」

「……」

俺は無言で日向を見た。

まだ俯いたままの日向。
肩が震えているのは泣いてるからか、怖かったからなのか

そりゃそうだ。

あんな怖い思いしたんだもんな…


なんで俺や自分の母親に相談しなかったんだ
一人でどうにか出来る事しゃないのに。

言いたい事はたくさんあるが、日向を責める気は毛頭起きなかった。

それが優しい日向の性格だと分かっているから―

だから俺は

「今度からなんかあったら俺に言え。…絶対守ってやるから」

そう言って日向の頭に手を置いた。

日向はコクコクと頷くと

「…はい…!」

と返事をして、咳を切ったように泣き出した。

俺は何も言わず日向の頭を自分の胸に近づけた。

とりあえず、日向の母にはちゃんと言わないとな…

俺が泣かしたと思われてもこまるからな。





END
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