わたしがお母さんになった日 ~16歳の妊娠~
この時、わたしの心には、お母さんとして生きていく自覚と、赤ちゃんを育てていくという決意が芽生えたのだと思う。


とまどいも、不安をも乗り越えようとする強い決意が――。






家に着いた。


両親は仕事で、家にはいない。


わたしと美里と梓は居間に行き、三人でテーブルを囲むようにして座った。



「それで、由衣はどうしたいの・・・?」

最初に梓が口を開いた。



「わたしは・・・、」

わたしの気持ちは、決まっていた。

「やっぱり・・・、産みたいと思う・・・。

妊娠したかもしれないと思ったときは、どうしようって思ったけど・・・、でも今日産婦人科に行って、この目で赤ちゃんを見て・・・、やっぱり産みたいって思ったの。

赤ちゃんができたことを、嬉しいって感じたの。」



「高校中退することになっても?」



「うん・・・。」



「これからの人生、赤ちゃんのために生きることになっても?」



「うん。」
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