失われた物語 −時の扉− 《後編》【小説】



寮から徒歩20分かかる最寄り駅まで

母を迎えに行った

今日の昼に駅で待ち合わせてある

昨日母から電話があった

久しぶりに外でランチしようと

母に言われた

所長に話し許可を取った




改札の向こうから母が僕に手を振る

ちょっと恥ずかしいんだが…

母はいつもこうだから仕方ない

僕も軽く手を挙げる

母が笑ってるからそれでいいか

久しぶりにニコニコしてる母を見て

僕は少しホッとした




「元気そうにしてるね」

母がニッコリ笑って言う

「まあまあ…ね」

久しぶりなので照れ臭い

「ねぇねぇ…なに食べたい?」

正直あまり食欲はない

でも寮の食事はだいたいご飯なので

「パン…とかかな?」

と答えた

駅の近くはあまり店がないが

広めのイタリアンレストランがある

「ここ…ランチはパンおかわりサー

ビスだって!良くない?」

パスタだけでもお腹いっぱいかな?

ま…いっか

「じゃ…どうぞ」

僕がドアを開けてあげると

母は嬉しそうに入って行った





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