ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「だってメイ弱いくせに飲むから心配。この間ちゃんと帰れた?」


ホナミの何気ない言葉に心臓がドクンと跳ねた。

引き金を引かれたように水嶋と過ごした日の記憶が頭に流れ込んで氾濫する。


水嶋は一度くらい繋がらない私の携帯を鳴らしたのかな……。

それで私のこと人でなしって思ったのかもしれない。


そう思うと罪悪感で胸がチクチクと痛んだ。

私を一晩の相手に選んだ男なのに。

その経緯を思い出せないせいか、どうしても水嶋に悪い男という印象を抱けない。


だからって地元の繋がりなんて、持つ気はサラサラないけど、ね……。


「帰れるよ! 子どもじゃないんだから」


唇を尖らせながらも今日はこの一本で最後にしよう、と缶ビールに口をつけた。

これでもちょっと反省してるし。

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