恋するカフ・リンクス
「…もう…いいか」
少しして聞こえた紫竹さんのその声でハッと我に返る。
慌てて彼から離れる。
マズイ。
ホントこれマズイ。
どうしよう。
ハズカシすぎて
顔、あげられない。
「ふたりとももういないから…」
彼は後ろを確かめながら言った。
アタシも少し顔を上げてそっと彼の向こう側を確かめる。
「…みたい…やね」
やっとの思いでそう言葉にするアタシ。
もう、
ホントどうなってんの。
だって考えたら結局キスすらしてないのに。
どうしてこんなに。
いつまでも紅潮する顔と高鳴る鼓動。