恋するカフ・リンクス


…やがてふたりの声は聞こえなくなった。

きっと教室に戻ったのだろう。

でもアタシは空を見上げたまま。


だって見上げてないと涙が零れ落ちそうになるんだもん。


そっとスカートのポケットに手を入れる。



触れたのは…。

あのときの、
ハンカチに包まれたカフリンクス。

ぎゅうっと握り締める。

と同時にトランプタワーが崩れた。



もう終わりにしよう。






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