美女か野獣か


「わりぃな…巻き込んで…」


高良は、そう言って私を見るた。


その時の彼の瞳は、もうギラギラと光ってなくてまるで別人のようだった。


「いえ…」


私がそう答える間もなく高良は、携帯を取り出すと誰かに電話をかけ始めた。


二言三言で電話を切ると高良は、私の方に向き直った。


「お前、時間あるか?」


「え…?特に用事があるわけじゃないですけど…」


「なら、ちょっと付き合え」


なぜか命令口調な高良に私は、とっさに頷いた。


そして5分程、とくに会話も無く立っていると路地裏の出口辺りに真っ黒のメルセデスが停まった。


私は、まだ何も気付いていなかった…


この出会いが私の人生を大きく変える事になる事を…


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