美女か野獣か
「あの、急に動かない方がいいんじゃないですか?ケガしてるんだし…」
そんな彼に私は、恐る恐る言った。
「この程度たいした事ねーよ」
彼は、そう言うと再び歩き出した。
「で…でも…フラフラじゃないですか?」
そう言って私が彼に近づこうとした時、何人かの男達が路地裏に走り込んできた。
男達は、それぞれ金属バットやら鉄パイプやらを持っていてあからさまに危ない雰囲気を発していた。
「おい、高良(タカラ)逃げんなよ?」
リーダー格っぽい男がそう言っうと私の目の前に居る高良と呼ばれた彼は、壁から手を離し男達に向き直った。
「獅童(シドウ)、テメェもしつけぇヤツだなぁ」
高良は、そう言って私の前に立った。
まるで私を隠すかのように…
獅童と呼ばれたリーダー格の男は、ニヤニヤ笑いながら高良を見て言った。
「テメェを逃がすわけねーだろ?テメェを潰せば「Beast」は、俺のもんだ」