手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
いくら、運動神経が良かったとしても、事故は別物だよね?

私はさりげなく「帰ろう?」と伝えた。

3人は納得し、海さんはママと一緒に、アイスティーを一気飲み。



「ご馳走様でした」



レジに向かう空さんに声を掛けると、海さんが私の頭を撫でた。



「空の相手をしてくれて、ありがとう」



逆にお礼を言われてしまい、私は戸惑いながら頷いて、パラつく雨の下を小走りで、車へと行く。

乗り込むと、空さんがハンカチを貸してくれて、顔を拭いてると、中学時代、バスケ部の試合に駆り出された海都に渡そうとしたミサンガが、プツンと切れた。
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