手を繋ごう―瞳を開いて私を見て―【完】
“Fight”の文字が少し崩れてるミサンガは、私の手作り。

海都に似合う青と、私の好きな色の白は、黒くなってる部分もある。

今まで切れなかったのに、何で。

私はフロントガラスに打ち付ける雨の粒を見つめて、嫌な予感がした。

海都が、闘ってる。

涙を隠して。

根拠なんてない。

ただの、思い過ごしかも知れないけど。

会いたい。

今、会いたい。

助けたい。

私が助けたい。



「空さん…」



「んぁ?」



「命って、大切ですか?」



「「「……」」」



私の質問に、後部座席で盛り上がってたママと海さんまでも黙った。
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