恋愛ごっこ
「誰やねん……あ!裕貴」

びくっ!!

その名前を聞いたとたん

私の体はわずかに反応する

 叶恵は近くでお弁当を食べていた松本君に声をかける

「太田に知想・・・なんか用?」

 松本君は笑顔でこちらを向く

その笑顔を私は何故か直視することができなかった

けれど叶恵はすかさず

「なぁなぁ、めぐの好きな人知っとる?」

「ちょっと叶恵!!

男子に聞いたりしないでよ」

私はあわてて2人の間に割り込む

「別にええやんかめぐ全然教えてくれへんし」

叶恵は私のことなど気にせず松本君の方を向く

松本君は少し考える仕草をしてから自信満々に

「俺知ってるで」

「えぇ!!」

私は思わず声をあげてしまった


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