Platinum Kingdom【完全完結】

「…遥翔…」



遥翔だった。

…どうしてそんなことを言うのと私にはわからなかったけれど。
どうやら遥翔には分かるようだった。

なんとなくだけど。

…―――そんな表情をしていたから。
きっとそうなのだろう。



「…正直意外です」

「は？」

「あの“敏腕冷徹副社長”と呼ばれるあなたが、こんなにもシスコンだったなんて」



まぁ、なんとなくは噂で聞いていましたが、遥翔は言う。

…どんなウワサなのよ…。
と私は言いそうになったけれど。



「…」



何も言わないことにした。
…この場の空気で、言うべきことではないとそう思ったからだ。