Platinum Kingdom【完全完結】
兄様はわたしを抱きしめた。
…いつもの、兄様で。
―――わかったよ、兄様。
「ありがとう、兄様」
「は?」
「遥翔に言ってくれたのって、私のため、何でしょう?」
「…」
「ありがとう、兄様」
きっと、兄様は心配してくれていたのだろう。
突然無理やり、半強制的にわけもわからずお見合いさせられて。
兄様のように幼いころから“そういう世界”を見てきたわけでもなく、学んできたわけでもなく。
…だから、きっと。
「けど」
遥翔が突然声を出した。