Platinum Kingdom【完全完結】



兄様はわたしを抱きしめた。

…いつもの、兄様で。


―――わかったよ、兄様。



「ありがとう、兄様」

「は?」

「遥翔に言ってくれたのって、私のため、何でしょう?」

「…」

「ありがとう、兄様」



きっと、兄様は心配してくれていたのだろう。
突然無理やり、半強制的にわけもわからずお見合いさせられて。

兄様のように幼いころから“そういう世界”を見てきたわけでもなく、学んできたわけでもなく。
…だから、きっと。



「けど」



遥翔が突然声を出した。



< 207 / 415 >

この作品をシェア

pagetop