君ニ恋シテル

｢あーでも超ビックリしたねっ！マジありえない！こんな偶然滅多にないでしょ！｣

｢うん…ほんとに｣

｢あっ！そうだ！連絡先聞けばよかった！あー！そうだよバカだぁ！｣

急に悔しそうに顔を歪める亜紀ちゃん。


連絡先って…

｢メアドとか…？｣

｢そう！聞いたら絶対教えてくれたってー！あー！失敗したぁ！
優奈もせっかくチャンスだったのにね！｣


そっか…チャンスだったんだ。

でも、実際聞いたら教えてくれたかな？

そういうのって普通ダメだよね…。

やっぱり芸能人だし…。

聞く勇気なんて、ないし…。

でも…本音を言ったら、知りたい。

友達になりたい。


｢あぁー失敗したぁー！
…でも、一歩前進だねっ！
徹平と距離縮まったじゃん！
コンサート超楽しみー！｣

｢…うん、楽しみ！｣

一歩前進…。

そうだよ…これだけでも凄く嬉しい一歩。

少しずつでいいから、もっと近くなりたい。

なれたらいいな…。