君ニ恋シテル


「あはは、優奈ちゃんそんな恥ずかしがることじゃないって」

洋祐くんが笑顔で私の肩をぽんっと叩いた。


恥ずかしくないわけがない…。
恥ずかしすぎる!

結局、洋祐くんに全部バレてしまったんだから…。

私は俯いたまま顔を上げることができずにいた。


「優奈、ごめんってばー。顔上げてよー」

亜紀ちゃんはさっきから何度も同じ言葉を繰り返している。


どうしよう…。

…このままいつまでも俯いてるわけにはいかないよね。

私はゆっくりと顔を上げた。

視界がぼやけてる。

きっと涙目になってるに違いない。


「優奈ー!」
「ひゃあ!」

顔を上げたとたん、亜紀ちゃんが勢いよく抱きついてきた。


「私、応援してるから!
洋祐も応援してるから!」

亜紀ちゃんは凄い力で私を抱き締めた。


「あ、亜紀ちゃん、苦しい!
わかったから離してー!」

パッと慌てて手を離す亜紀ちゃん。


はぁー…。
一息つくと洋祐くんと目が合い、洋祐くんはいつもの笑顔を見せた。

もう…バレちゃったものは仕方ないよね。

私は照れながら、ぎこちない笑顔を浮かべた。
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