君ニ恋シテル
逞くんが口を開く。
まだ呼吸がととのっていなくて、息が荒い。


「えーっと…とりあえず、ゴールした喜びを親友の洋祐に伝えたいです!」

言った!
逞くんほんとに言ったよー!

咄嗟に洋祐くんを見ると、驚きと喜びの両方が入り交じった表情を浮かべていた。


観客がざわつき、「洋祐って誰?」という声があちこちから聞こえる。


わぁ…今、洋祐くんの名前が全国ネットで流れたんだよね。

そう思うと胸がドキドキした。


「洋祐よかったね!」

亜紀ちゃんは目立たないようなるべく小さな声で喜んだ。


「熱い友情をありがとう!お疲れ様!徹平くんはどうでしたか?」

司会者は特に深く突っ込むことなく、逞くんに向けていたマイクをてっちゃんへ移動する。

てっちゃんはなんて言うんだろう…。
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