君ニ恋シテル
「優奈っ、気合い入ってるね」

歩きながら亜紀ちゃんがそっと私に話しかける。


「えっ…」

「洋服もメイクも。可愛いー」

「…っ」

気合い入ってるかな…?

昨日、逞くんのメールを受け取った後、慌てて服選びを始めたんだけど…全然決まらなくて、結局急いでお店に行って新しい服を買っちゃったんだよね。


女の子らしいキュロットに、ナチュラルメイク…。

少しでもいつもより可愛く見えてればいいな…。


「俺、服欲しいんだよなぁ」

「私も欲しいかも」

笑顔で話す逞くんと沙弓ちゃん。


逞くんはサングラスを身に付け、黒を基調としたファッションで、かっこよく決まっている。


沙弓ちゃんも、変装のためか伊達眼鏡をかけていた。

服装もとっても可愛くて、さすがアイドルといった感じ。

デニムのショートパンツ、よく似合ってる。

足細くて羨ましいー…。


そして、私はチラリとてっちゃんへと視線を向けた。

カジュアルなファッションに、帽子と伊達眼鏡。

眼鏡をかけているのは初めて見たけど、凄く似合っている。

いつもと違った雰囲気に、ドキドキした。
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