君ニ恋シテル



その頃ケーキ屋では――――…



「藤盛さん、ちょっと…
ん!?君は誰かね?」

亜紀はその声に振り向く。


「あぁ、店長さん。
私は代理人です。
お構いなく」


「お構いなくじゃないだろ…藤盛さんはどこにいったんだ?」


「優奈は今大事な時なんです!
…大丈夫なんで厨房でケーキでも食べててください」

亜紀は店長の背中をぐいぐいと厨房へ押しやった。


「お、おい!君!
…まったく!なんなんだ!
おい、早くケーキを作れ!腹が減ったぞ!」

店長はパティシエに怒鳴り散らす。


「店長、私にもケーキください」

「だから君はいったい誰なんだ!」


亜紀は店長の言葉を無視し、美味しそうにケーキを頬張った。


――――――――……
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