君ニ恋シテル
Boy★2事務所――――――…


逞と沙弓ちゃんの熱愛報道により、事務所内はピリピリとした空気が流れていた。


「はぁー…やってくれたよなぁ」

浩ちゃんが深い深いため息をつく。

さすがの逞も今回ばかりは反省しているのか、黙りこみ俯いている。


「夏祭りねぇ…。まあ若いし、遊びたいのはわかる。でもなぁ…」

と、逞はパッと顔を上げ浩ちゃんの言葉を遮るようにして、

「だろ?夏だよ?夏っていったら夏祭り!行かないとかおかしいっしょっ!」

と、笑顔で言葉を返す。


「バカ!そういう問題じゃないだろ!お前は今人気のアイドルなんだぞ!?狙われるのは当たり前だろ!自覚が足りなすぎる!」

「ごめん…でもさゆとはほんとに友達で、付き合ってないから」

「嘘つけ。昔から付き合ってただろ。しかもかなり昔から!」

足を組み直し、コーヒーを一口飲む浩ちゃん。


「はぁ!?何言ってんだよ!全然意味わかんないし」

「ふーん。なんとでも言え。俺は全てお見通しだからな」

「ほんとに違うって!」

「じゃああの写真はなんだ?なんで手繋いでるんだよ。沙弓ちゃんみたいな良い子、逞には勿体ないよなぁ」

「あれはっ…。あーもう違うって言ってるのに!」

逞は大きなため息をつく。


「とにかく、反省しろよ。社長がお怒りだからな」

浩ちゃんはそう言うと、部屋を出ていった。


逞は浩ちゃんが出ていった後の扉を見つめ、また大きなため息をつく。
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