君ニ恋シテル
俺はまたベッドにゴロンと横になった。

さゆに電話でもするか…。


「あっ、もしもしさゆ?」

なんだか急にさゆの声が聞きたくなったから。
ただそれだけの理由。


『どう…旅行は順調?』

「うん、上手くいってるよ。ファンの子達もみんな温かくむかえてくれたし。ほんと…よかったよ」

さゆとの熱愛報道があったばかりだったから、正直不安だった。だけど、みんな笑顔で普通に接してくれて…嬉しかった。


『そっか。安心したよ。そういえば、今日は徹平くんの誕生日だね。みんなでお祝いしたの?』

「うん。ってかそれがさぁー!」

俺は優奈ちゃんだけが徹平にプレゼントがなかったことを話した。


『そうだったんだ…。徹平くん、落ち込んでるのかな』

「かもなぁー。プレゼントの話出したら、急に散歩してくるって出ていったし」

『…逆効果だったかな』

「逆効果って?」

『ほら、前に話したじゃん。優奈ちゃんに、徹平くんは優奈ちゃんのこと好きだと思うって言ったって』

「あぁ…」

でも…逆効果ってことあるか?


『優奈ちゃん…意識し過ぎちゃって行動できなくなっちゃったんじゃ…』

「んー、そういうもんなの?」

『優奈ちゃんは照れ屋だし、そうなりそうな気がする』

「なるほどねー。あーもうほんとじれったいな!」

『うん…』

「俺だったらばんばん行くのに」

『優奈ちゃんも徹平くんも逞とは違うんだよ』

「なんだよそれ」

『あはは!とにかく…2人には上手くいってほしいよね』

「だな…」

さっさとくっつけばいいのに。


「ってかさぁー、絶対徹平は優奈ちゃんに一目惚れだよな」

『やっぱりそうなのかなぁ?』

「絶対そう!もろわかり!!ってかほんと2人わかりやすすぎ!!」

『あはは』

ほんと2人は似た者同士なのかもな。
周りから見たら気持ちもろばれだし。
気付いてないのは本人同士だけ。


『とにかく今は温かく見守ろう』

「んー…進展遅くてイライラするわ」

『早ければ良いってものでもないでしょ』

「まあそうだけどさぁ」


それからしばらくさゆと会話を弾ませた。
さゆの声を聞いてるだけで、不安や疲れがとれてゆく。

日常のこんな些細な瞬間に、いつも実感するんだ。さゆが大好きで、とても大切だって…。
< 572 / 679 >

この作品をシェア

pagetop