ナンパ男との恋 3巻
やばいっ!
寝起きの顔を
そんな至近距離で見られるわけにはいかない。

「あっ!ほらっ
今日は良い天気だし」

と、輝樹の顔を
避けるように
とっさに起き上がり
カーテンを一気に開けた。

「良い天気?どこが?
雨だけど?」

「あ、うん・・・
良い雨模様で・・」

「何、もしかして
春菜は
俺から逃げたのかぁ?」

「え・・・そ、そんな
わけないじゃん。ね?」


徐々に近づいてくる輝樹を
両手でガードするように
後ずさりをしてしまう私・・・

「逃げてんなぁ?」

「逃げてないよ?」

そう言いつつ
後ずさりしてるけど・・

「ほーら、捕まえた」

この狭い空間では
あっさり 腕掴まれて
確保されちゃうけれど・・・

・・・そうだっ

掴まれたのをいい事に
そのまま
輝樹の胸に
抱きついてみる。

これなら 顔見えないし・・



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