ナンパ男との恋3

ピンポーンっ

鳴り続けるチャイム・・・

「訪問販売にしては
あんまり
しつこすぎない?」

ようやく
正樹くんが立ち上がった。

「え?な、なんで」

「変な人だったら
怖いじゃん?」

「怖いって
それ、女の子のセリフじゃない?」

「いや、だって
恐ろしい顔したオッサンが
これ買えよ~って
迫ってきたら怖いじゃんか。
男の俺が
きゃ~って叫ぶわけにはいけないし・・
春菜ちゃんが叫べば逃げるじゃん?」

「意味不明なんだけど・・・」

変な屁理屈を並べ
手を引っ張られ

私も道連れに
玄関へ
2人で 恐る恐る忍び足で向かう。

覗き穴から
そっと覗き込む正樹くん。

¨¨¨誰かいる?¨¨¨

¨¨¨誰もいないんだけど¨¨¨

コソコソと話ながら
今度は 私が穴を覗き込む。


¨¨¨誰もいないでしょ?¨¨¨

¨¨¨帰ったのかな?¨¨¨

ドアに耳を当て
外の音を聞くけれど
人がいる様子はないようだ。

ひとまず
部屋の方へ戻ろうと
中に入ろうとすると、

正樹くんの動きが止まり
その拍子に
正樹くんの背中に
思いっきり体当たりしてしまった。
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