コンドームを買いにいく夜は
こんどぉむ。
日本人なのに金髪。

耳にはキラキラ光る粒。

虫眼鏡を何枚も重ねたように大きく魅せるためにつくられた黒い瞳で呟く。

「ねぇ、つけて」

人形のように最先端技術で盛られた女の上で一つにつながろうとした時女は言った。

たった一晩の女
三時間前にあった女
昨日もこんなことをしている女
汚れた女...女...女...オンナ

彼女に毛布をかぶせ床に散らばる服を拾い手に取る。

ヤったことのないボクの家にはもちろん「避妊薬」はない。

だからわざわざコンビニまでコンドームという名の男と女を隔てるモノを買いに行く。

空は暗かった。


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