十†字†路
◆ ◇ ◆



電車二駅隣街。
定期だからタダなのだ。
使わなきゃ損だよねー。

「久しぶりに来たよ~」

さ、日が暮れる前に色々回らなきゃね。
アレ買ってコレ買って。
他にも他にも。

「まずは……」

駅前のクレープ屋が目に入る。
甘くいいニオイが鼻に入る。

ダメダメ。
買い食いなんてはしたない。
我慢我慢…



「はむ…美味しいよぅ」

私の意思は静寂だった。

まぁいい。
食べながら色々探そう。

「うーん、あの服屋高いんだよねぇ」

「あれ?新しい店が出来てる!」

「うわ!?お気に入りのアクセサリー屋が潰れてるよ!」

久しぶりすぎて色々変わっていた。

とりあえずCD屋へ行こう。



◆ ◇ ◆



「CDも本も買ったし、そろそろ帰ろうかな」

日はまだ暮れてないが、早めに帰ろう。
不幸なりに欲しい本も買えたし、新曲も買えた。

こういう時は…
何か大きな不幸が来るんだよね…

…ドンッ!!

「あ、す、すみません!」

「いえ、こちらこそ」

うつ向き考え事してると肩が当たる。
まさか…前みたいにヤクザさんとか!?

おそるおそる顔を見る。
優しそうな人だった。

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