十†字†路
☆表十字路~第二章~

明路3・共鳴錯覚~Encount~

◆ ◇ ◆



チャイムが鳴り響き、
学校終了を告げてくれる。

本日の授業。

社会、
寝ていると先生に当てられる。

数学、
完璧に出来た宿題を家に忘れる。

体育、
女子の長距離中に男子のラグビーが足に当たり、派手にコケる。

以上、授業中の不幸。

「今日も相変わらず、不幸だったね」

笑いながらホノカが近付いてきた。
笑い事じゃないよ…

「にしても、あのラグビーボール…誘われるかの様に、ユキの足元に転がってきたよねー」

あんな形のボールが、
ボヨンボヨンと、
跳ねて跳ねて、
迷わず私の足にヒット。

「有り得ないよ…」
「しかもコケ方も面白かったしね」

プププと閉じた口から笑いが漏れる。

「全く…いつかはホノカを殴る日が来そうだよ」
「大歓迎よ。いつでもどうぞ」

両腕を広げ、
私を招くかの様に。
爽やかに笑われた。
今すぐに殴ろうかな?

「じゃ、私は帰るよ。ユキはどうする?」
「私は寄る所があるから。先に帰っていいよ」

じゃあまた明日、と手を振り出ていった。

さて、本屋とCD屋と…
色々買いたいから隣街まで行かなきゃね。

辛い事は買い物して忘れよう!

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