十†字†路
「私に恋愛する権利は!?」
「あるじゃん?頭オカシイか顔がオカシイか。この二種類」

種類とか言ってる時点で、ホノカは私の恋愛相手を人間として認識していなかった…

「マトモな相手との恋愛は?」
「無ー理ーィー」

うわ、ムカつく!
この子、ホンットにムカつく!

「誰もが恋愛できる権利を持っているワケじゃないんだから、贅沢言わない!」

ビシッと私を指差して、もっともらしい事を言う。
いやホノカ、アンタ私にイヤガラセしたいだけだろ?

「頭オカシイ変質者と怪しい宗教するか、顔オカシイ人物と質素な暮らしをするか、生涯独身貫いて出家するか選びな!」
「ホノカを殺して私も死んでやる!」

首を絞める(フリ)をする。
いや、むしろホントに本気で絞めてやろうかしら?

「無理心中か!?レズと勘違いされるから止めてくれ!」
「煩い煩いウルサーイ!」

キャッキャッと笑い合う。
いや、内心は結構笑えない…

「でもさ、最悪な選択肢がもう1つあったわ」
「何よ?」

じゃれ合い疲れてゆっくり歩きながら話す。
真剣に彼女は言った。

「頭も顔もオカシイ奴…」

いや、
ホント、
止めてください。

そんな不幸は予想しないでよ…
< 35 / 124 >

この作品をシェア

pagetop