夢の続きで逢えたら

曇りのち晴れ


新千歳空港から、十一時の便で東京に向かう。



やはりこの時期、田舎に帰る人が多く、

東京行きの飛行機は空席が目立った。


家に着いたのは、午後の二時過ぎくらいだったが、

玄関のドアを開けようとした時、

僕は、ある重大なことに気がついた。




しまった。


鍵を忘れてしまった。


高校生の頃、うっかり鍵を失くしてしまったことがあり、

それ以来僕は、鍵を持ち歩くのをやめた。


普段なら、ポストの横の植木鉢に隠してあるのだが、

北海道に行く間、家は誰もいなく、当分留守になるので、

鍵は母さんが全部預かっていた。



これじゃ家に入ることはできない。


どこか鍵を閉め忘れてる窓がないか、

必死に探したが、家族揃って神経質な僕らが、

そんなミスするはずがなかった。



僕は仕方なく浩二に電話をかけた。




.
< 113 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop