夢の続きで逢えたら

係員が遠くの方から大きなマイクを使って呼びかける。

「応募者の方は証明書を持ってこちらにお並び下さい!」



フゥーっと大きく息を吐く詩野。


「じゃあみんな、行ってくるね」

そう言って、詩野が僕の肩に手を回してきた。


「え!?」

あまりに突然の出来事に思わず声が漏れたが、

それ以上に、浩二と大輔が驚いた表情でこちらを見ていた。


「何ボーッとしてんのよ!円陣よ円陣!」


「あっ、あーそういうことか!」


浩二と大輔が慌てながらも円陣を作る。


「じゃあ頑張って!応援してる」

「ありがとうみんな。楽勝で通過してくるわ!」

「ハハ!大丈夫そうだな!いつも通りの詩野ちゃんだ」


僕らは気合いを入れて、詩野を送り出した。



そうだ…


「詩野!ちょっと待って!」


僕は大輔に目で合図を送り、それを受け取ると、

詩野の元へ走った。




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