夢の続きで逢えたら

弾いていたギターをまた詩野が止めた。


「そう言えば、大輔と浩二くんは?」

「あぁ、大輔は大学の友達と飲んでる。浩二は…なんだろ?女かな?ハハ」

「もう、ホントに応援してくれてるのかしら」

頬を膨らませ、しかめっ面をする詩野の表情に、

つい見とれてしまい、時が止まった。


目が合う。


「なに?」

「あっ、ご、ごめん。つい見とれちゃって…」


「え?」


詩野が顔を赤くして下を向く。


「あー、そうじゃなくて、ごめん!とりあえずあいつらなら心配ないからさ」

「そ、そっか」


恥ずかしさを隠すようにそう言うと、

またギターを奏で始めた。



僕ら二人しかいない公園の外灯が、

スポットライトとなって詩野を照らす。




僕が描く詩野の未来がそこにはあった。



そして、眩しいほどに輝くそのステージに、

僕は思わず笑みをこぼした。





.
< 148 / 220 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop