夢の続きで逢えたら

最近、詩野には素直な気持ちで接することができてる気がする。


遠回しでもなく、誤魔化すでもない。



詩野に出逢ってから、

いつも冷めてばかりで、偽っていた自分は、

もう過去の人になった。



でも、

ひとつだけどうしても素直になれない部分が…





「おっきぃ〜」


ゴーッという低い音を出して、

大空へ旅立つ飛行機を見て詩野が言った。




「ねぇ詩野」

「なに?」



「浩二や大輔のことはどう思ってる?」

「どうって?友達よ」

「そうじゃなくて」



僕らの目の前で、

砂のトンネルを造る家族連れの笑い声が、

返事を待つ僕の緊張を、少しだけほぐしてくれた。




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