その手で溶かして
私はゆっくりと振り向くと、遠藤君はすぐそこに立っていた。



「どうしたの?」



「さっきの話だけど……」



さっきの話とはどれのことだろう。



今日は珍しく沢山の会話をしたせいで、どの話のことを言っているのかわからない。




「俺はたぶん真雪のこと好きになると思うから。」



「えっ?」



その話だったか、なんて悠長に構えていた私の耳に遅れて遠藤の言葉が届いた。


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