その手で溶かして
遠藤君は少し間をあけ、改まって私の瞳を真っすぐに見つめてきた。
「俺のこと好きになれそう?俺は結構はまりそうなんだ。」
「ごめんなさい。きちんと考える時間をとるのを忘れていた。」
テストがあったせいか、私は遠藤君の彼女だという事実も危うく忘れかけていた。
「だと思った。こういうのはズルいかもしれないけれど……望みのない相手に真剣にはなりたくないんだ。」
ズルくなんかない。
人は自分が一番可愛いもの。
それを素直に口にできる人間を私はズルいとは思わない。