その手で溶かして

「真雪ちゃんはこの後どうする?私たちはご飯でも食べに行くけど。」



ナオは私の腕に手を絡めながら、可愛い笑顔を向ける。



性別を問わず、こうして甘えてくるナオは可愛い。



今まで私が出会ったことのないタイプだった。



「私は……」



そう言いかけたとき、横から言葉を掻き消されてしまう。



「真雪もエンも行くぞ。今日くらい付き合ってくれよ。」



私を“真雪”と呼ぶウミの声に私の心臓は再び音をあげる。



「俺は構わないけど……真雪は大丈夫?」



すかさず私の様子を伺ってくれる遠藤君に私は頷きながら微笑んだ。



ウミの考えていることがわからない。



私を遠ざけたかと思えば、こんな風に誘ってきたりして……



それより、私は自分がこんなに八方美人だとは思わなかった。



今まで、人に誘われることがなかったため気付かなかったが、誘われると断らない性格らしい。



ママの血が流れているからかな。


と、ふとママの作り笑顔を思い出す。



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