その手で溶かして
「来るなら連絡くらいしてくれよ。」



「悪りぃ。」



「サワはこれ着てろ。」



ウミと遠藤君の会話で、想像できる光景。



そして、聞き覚えのある声の主はクラスメイトだったサワのもの。



見なくても何が起こっているのかを把握した私は静かにアパートを後にした。



「真雪ちゃん、待って!」



きっと、ナオは私を心配して追い掛けてきてくれたのだろう。



でも、私は大丈夫。



「帰ろうか?」



「うん。拓海はおいてこ。」



ナオは私の手をギュッと握り締めた。
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