その手で溶かして
「俺は拓海達みたく、自由であることに憧れた。そして、自分もそうあるべきだと、その道を選んだんだ。けれど、所詮それは真似事で何もわかってはいなかった。」
膝の上で握り拳を作る遠藤君。
「俺には、自由になる力なんて持ち合わせていなかったんだ。何もかも、守られた環境にいるからこそ、憧れただけで、実際にその世界に足を踏み入れてみると3日ともたなかったよ。」
「そんなことないわ。今もこの生活を続けているのだから。」
私は遠藤君の肩を持つつもりも、励ますつもりもなかった。
ただ、事実を述べただけ。