その手で溶かして
私が好きになろうとしていた遠藤君の面影は、もう何処にも見当たらない。




「許すとかってことは、よくわからないけれど……この先も遠藤君の彼女で居られるかどうか考えてみるわ。」



「そうだよな……」



「考えてわかったら連絡するわね。」



「帰るのか?」



「えぇ。ウミとナオが待ってるから。」



再び俯いてしまった遠藤君を見ないように、私は玄関へと足を進めた。



正直、こんな遠藤君はあまり見ていたくない。



「お邪魔しました。」


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