その手で溶かして
「彼女になれなくてもいいから、側で支えたいと言われた瞬間、俺の中で何かが爆発した気がした。それからは……会うたびにアイツを抱いている。」



またしても耳にした、体だけの関係。



サワにしても、ナオにしても、彼女になることを放棄してまで体を繋げていたいと言う。



私にその感覚がわからないのは、体の関係を経験したことがないからなのだろうか?



「でも、好きか?って聞かれたら、答えはNOだ。俺は真雪が好きで、真雪に情けない自分を見せられなかったから、アイツに逃げたんだ。浮気ってやつだな……ごめん。」



物が散乱したテーブルに頭が付きそうになりながら、体を前に倒す遠藤君。



「わからないけれど、わかったわ。」



「それは……許してくれるってことかい?」



私の言葉に遠藤君は勢い良く顔を上げ、縋るように私を見つめる。

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