その手で溶かして
「ユキ、もういいだろ?」



「何のこと?」



「おばさんが変わったのは真雪のせいじゃない。」



「どうして、いきなりママが出てくるの?!」



話をしたくない。



もう、これ以上喋らないで!!



心の中では、そう叫んでいた。



「感情を出していいんだ。もう、いいんだよ。ユキ。」



「やめて。」



「そうやって怒ればいい。」



「ウミ、もうやめて。」



「真雪は何も悪くないんだから。」



ウミ……


もう遅い。



例え、私が悪くなかったとしても……



罪を犯したことの時効が訪れたのだとしても……



私はもう戻れない。



すべてを忘れてしまったの。
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