その手で溶かして
「時間大丈夫?」



「え?時間?」



思ってもいなかった質問をされたせいで、自然と声が出る。



「もう少し、ウチに居て欲しいんだ。」



遠慮がちな口調のわりには、有無を言わせないような力強い瞳。



そんな瞳に見つめられたら、頷くしかない。



「おばさんに怒られるなら、無理するなよ。」



「大丈夫。ママはもう……」



言い掛けてやめた。



この先に続く言葉はあまりにも悲しすぎる。



言葉にすると、真実だと認めてしまうような気がする。



「本当に大丈夫だから。」
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