紅い金魚
君は・・・・。



君はいつも、青白い顔で、僕を見つめているんだ。



無機質なコンクリートに、腰を下ろし、微動だにせず、僕を見つめ続ける。



君は・・・・。



時々見せる、微笑みさえも何かに怯え、その丸い潤んだ瞳は、苦しみの蒼で染まっている。


一体、君は何者なのですか。


この、鈍色の世界で、まあるい金魚鉢に飼われた、真っ赤な金魚のように、ただただ呼吸を重ねているのですか。



なにもかもが、破壊的で、野蛮で、粗悪な、この空の下で呼吸をしているのですか。




僕には、ほんとの君が、まだ、見えないんだ。



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