俺がお前を守るからだからお前は…

 南の暴君ぶりになれた頃。

 南は平然と言った。

 「…萌とあわせてやる。来い。」

 連れて行かれたのは、ガラスの部屋だった。

 外には緑の芝生が見える。

 そこに、萌はいた。

 あの日と同じ、絶望を臭わせる瞳で、それでも希望を持っている目で俺を見た。

 「お兄ちゃん。」

 俺の背後で閉められた扉を無視し、萌は俺に抱きついてきた。

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