゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。

「そ? よかった。

俺、菓子は結構作る

んだ。料理は全然好

きじゃないんだけど

……」

淡々と返していた彼

はなおのまつ毛にゆ

れる雫を見て、息を

つまらせる。静かな

表情に、

ゆらゆらと

なんとも言いがたい

波紋が広がっていく

。

「おいしい」

涙が玉粒になってポ

ロポロと落下する。

手の甲でぬぐっても

ぬぐっても、次から

次へと転がり落ちて

いく。

「泣くほどおいしい

よ」

苦しまぎれのごまか

し。返事はない。

彼は途方にくれたよ

うにこちらを見てい

る。

吉良とみゆがうるう

るしながら、大げさ

に抱きついてくる。

きみひろは魂を抜か

れたような目をして

いる。

「なんとかしよう」




< 158 / 406 >

この作品をシェア

pagetop