゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。

息をのむ。指先が小

きざみにふるえだす



「ねぇ」
サイレンが近づいてくる。
「ねぇ……」

ぷちりと割れたほっ

ぺたに触れてみる。

なんの抵抗もない。

血だまりの胸に、耳

をつけてみる。音が

……しない?

「ねぇ!」

気づいたら悲鳴をあ

げていた。慌てた女

の人に抱きしめられ

る。

「あたしも知ってる

。あんたのこと知っ

てる、だって……!



苦労して結んだ髪を

ふり乱し、女の人の

手にかみつく。

あたしはもうここに

居てはダメだから。

人に見られてはだめ

だから。だめだから

。ひたすら走った。

これは夢だ。

だから……早く起き

なきゃ。

走って、

走って、

ハイヒールはぶっ飛

んでいく。



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