゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。

*流星群


 ジリジリした太陽

も、すっかり沈みき

った満月の夜。なめ

らかな風の渡る、さ

ざ波だった川に、少

女の影が映っている

。手には望月がひと

つ。かじると、パリ

ンッと音がした。

「ゴマせんべい、好

きなんだ」

「へぇ、なんか渋い

ね」

彼女のずぐそばには

、丸々と太ったブタ

がいる。

「妖精っていうと、

西洋のイメージなの

に」

「てんぷら好きな外

人だっているだろ。

というかさ……」

「なに?」

「いっつも思ってた

けど、なんでこんな

暗いのに、サングラ

スなんかしてんの」

「ああ、これ」

唇をとがらせて、い

ぶかしそうな目をし

た彼女のために、サ

ングラスをはずして

みせる。



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